自生してきたゲンノショウコについて調べてみた 現之証拠 ミコグサ

by keiko

君の名は?

9月末、Quest Gardenに自生してきた白い花(上の写真)、調べまくりました。

桜みたいでかわいいです。

花弁が5枚、3つに別れた葉っぱ、柔らかそうな葉と茎、を頼りに探しまくり、ようやく辿り着いた、この子の名は、ゲンノショウコ。(多分)

以下、調べて出てきたことです。


ゲンノショウコはドクダミなどと共に古くから日本で用いられてきた薬草です。一般には花期に地上部を採取し、乾燥させたものを用います。

江戸時代の始め頃から用いられ、これを服用するとたちまち効き目が現れることから「現之証拠(ゲンノショウコ)」という名がついたと言われています。

 別名でミコシグサという和名がありますが、これは実が熟すと裂開して種を飛ばし、その姿が御輿の屋根のようなユニークな形状になることから名づけられました。

【成分】

 葉におよそ20%のタンニンを含み、その主成分はゲラニイン。他にコハク酸、没食子酸、ケルセチンを含む。

【利用】

 主に下痢止め健胃、外用では腫れ物しもやけの洗浄に用います。また、入浴時に湯に入れて利用することもあります。

 乾燥したゲンノショウコ10~20gを0.5リットルの水で濃い目に煎じて飲用します。

 かぶれには冷やしてから塗布します。

※ゲンノショウコと間違えてウマノアシガタなどの毒草を誤飲してしまう方がいるようです。十分に注意して下さい。


参考文献:新訂原色牧野和漢大図鑑

薬草園の世界HPより

フウロソウ科
Geraniaceae
Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton

別名:フウロソウ,ウスゲゲンノショウコ,ミコシグサ,タチマチグサ,イシャゴロシ,ネコグサ

英名:cranesbill

花期:8~10月

薬用部位:全草

成分:タンニン,フラボノイド

生薬名:現証拠(ゲンノショウコ)【局】,老鸛草(ロウカクソウ)

ドクダミ,センブリとともに日本の三大民間薬の一つ.止瀉作用があり,様々な下痢に用いるが,長く(半量になるまで)煎じると下痢止め短く煎じると緩下薬になり便秘にも応用される.また,霜焼け,腫れ物に煎液を外用し,扁桃腺炎,口内炎,歯痛には煎液でうがいする.冷え性,婦人病には浴湯料にする.冷え性,高血圧予防にもなる.

 

見分け方・特徴

ゲンノショウコは、茎の大部分は地をはい、草全体に下向きの毛が生えています。葉は長柄があり対生、形は掌状に3~5深裂、巾3~7センチ程です。裂片は先の方で3裂し、形は倒卵形をしています。葉縁は鋸歯状、葉質は柔らかです。
花は夏から秋にかけて、枝先および葉の脇より長い花軸を出して2~3個つけます。色は白から赤色と一様ではありません。花は5弁で赤い筋があり、がく片5、雄しべ10です。
北日本のゲンノショウコの花は、白色花が多いようです。

採集と調整

夏の開花期(7~8月頃)に全草を抜き取り、根を除いた地上部を天日で乾燥させます。道端での採取の場合は、泥をよく洗い落とす必要があります。

ゲンノショウコの若い時の葉は、キンポウゲ類やトリカブトの有毒植物に非常によく似ているので要注意が必要です。夏の開花期に採取すると花で確認ができます。

ゲンノショウコは、センブリドクダミなどとともに日本の民間薬の代表的なものです。

薬効・用い方
ゲンノショウコは、飲みすぎても便秘・下痢などの副作用がなく、優れた健胃整腸剤といえます。
食中り、下痢、慢性の胃腸病、便秘に効き目があり、煎じる場合は、時間をかけて十分煎じる必要があります。
下痢止めに1日量20グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、温かくし、適宜2回に分けて服用します。
胃腸の弱い人は、お茶代わりに飲んでもよく利尿の目的で使用するときは、10~15グラムを1日量として、0.5リットルの水を加えて、5~10分煎じ、3回に分けて食間に服用します。
高血圧予防には、ゲンノショウコ10グラム、ドクダミ10グラム、決明子(けつめいし)を少し炒ったもの5グラムを土瓶などで煎じて、お茶代わりに飲むとよく効くとされます。
しぶり腹、冷え性、婦人の血の道には、ゲンノショウコ風呂(ゲンノショウコ100グラムとヨモギ100グラム)を用います。

薬効を示す主な成分は、タンニンでゲンノショウコの仲間のイチゲフウロ、タチフウロ、コフウロ、シコクフウロ、アメリカフウロ、ヒメフウロなどは、ほとんどゲンノショウコと同じ目的で用います。
中国のゲンノショウコの仲間である老鶴草(ろうかくそう)は、全草を筋骨増強、リューマチ、解熱、はれものに煎じて用いています。

その他

ゲンノショウコの名前の由来は、古くから下痢止めの妙薬とされていて、古くの書に小野蘭山(おのらんざん)が記述した「本草網目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう・1803)」には「根苗ともに粉末にして一味用いて痢疾を療するに効あり、故にゲンノショウコと言う」という記述があります。そのことから「現に良く効く証拠」に由来しています。

古くから夏の土用の丑(うし)の日ころになると薬草採りが行われたものです。
民間薬として用いられる薬草の多くは、全草の地上部の茎葉花が主なものですが、これは漢方薬に用いられる生薬が根茎が主体であるのと違います。
地上部を薬草に用いる場合には、最も成分が多く含まれて勢いのよい、植物自体の全盛期が基本的な考え方になります。それが、開花期の土用の丑の日ころになり、一年分の薬草をこの時期に採取するのです。

ゲンノショウコは、日本の民間薬の代表で、貝原益軒(かいばらえきけん)が記述した、「大和本草(やまとほんぞう・1708)」には本草綱目772種、中国の本草書より203種、日本固有のもの358種、その他を含めて1362種の薬草が収載されていますが、そのなかでゲンノショウコは「陰干しにして粉末にし、湯にて服す。能く痢を冶す。赤痢に尤も可也。また煎じても或は細末にし丸薬として皆効果がある。本草には此功能をのせず。本草は毒草類にのせたり。然れども毒なしという。一度植えれば繁殖し除き難い」と記述されています。

民間薬:民間薬とは、日本で文字の無いような古くから伝わり生活の中に溶け込み、自然と伝えられてきたもので、その用い方も、経験や体験などから言い伝えられてきました。
民間薬は、多くは単一で用いますが古くから伝わる胃腸病の妙薬として知られている「陀羅尼助(だらにすけ)」や「お百草」、「御獄(おんたけ)山の百草」のように調合して用いる場合もあります。
民間は一般的に用いるので、まず、安全で副作用が無いことが一番の条件になります。
民間薬として、センブリドクダミゲンノショウコキササゲカキドオシタラノキウラジロガシがよく知られています。

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